前回の続きです。

「どのような運用にすれば、民泊事業が成功と言えるのか」についてですが、
①宿の提供者は、本事業を利用しやすく
②宿泊客は、満足のいく内容(日本のおもてなしを受けられる)
③トラブルが最小限に食い止められ
④経済効果によって景気が上がる。
と、勝手に想定しました。

 

何かの事業を開始する際、業種によりますが、管轄行政庁に申請が必要です。
申請の種類には『許可』や『届出』などがあります。

『許可』申請とは、一般に禁止される行為が、要件(条件)を満たせば許される行為です。
食品衛生法に基づく営業許可や旅館業法に基づく旅館業の経営許可、風営法に基づく風俗営業の許可などがあります。
レストラン営業は誰でもできると思いますが、施設の衛生状態が悪く食中毒等の被害がでる恐れがあるため、一旦は禁止行為として、要件を満たせばやっていいですよ!としています。
管轄行政庁に許可申請をすると、通常「標準処理期間」というものが設けられており、その間に審査がされ、許可若しくは不許可の決定がされます。

一方、『届出』とは、行政庁に事実を通知する一方的な行為であるため、届出を行い受理されると手続きは完了です。

個人的意見としては、保健所に対しては『許可』申請を行い、許可が下りた後に、許可通知書をもって消防署や警察署に『事業開始届出書』を提出するのが良いと思います。
警察署に届け出がされることで、警察の目が届き、犯罪グループ等のたまり場の抑止にもつながると思います。
※旅館業法での許可申請の場合は、審査基準に消防関係法令などが適合がしていなければそもそも許可はおりません。

許可申請時には、食品衛生責任者のような、「民泊管理責任者」的な立場の人を置き、公衆衛生や消防などについて講習を義務づけるべきだと考えます。
特区法では、ホームステイ型の民泊は想定していないようにも思えますが、もしホームスティ型を認めるのであれば、朝食を提供する可能性がありますので、加えて食品衛生責任者の資格も取得すべきです。

法人が事業をするなら、定款の写し、個人事業主なら納税証明書若しくは決算未到来なら都税事務所へ提出した事業開始等申告書の写しなども義務付けるべきでしょう。

そして、許可申請は3年か5年ごとの更新手続きを要するとすべきと考えます。空き家や賃貸借物件を想定すると、5年以内に所有者が変更される可能性があるからです。
相続税対策で、自宅を賃貸物件に改築するという話しも聞きます。一度申請したら終わりというのは危険すぎますし、
登記簿謄本を添付することで、所有者の名義変更を怠っている人や保存登記をしていない物件の洗出し等ができ、税収が見込まれます。

そうして、無事に申請が通り、営業開始となったら。。。。。
知り合いの不動産屋にお聞きした話しでは、賃貸物件のオーナーの多くはご年配の方だそうです。地域にもよりますが、元々地主で、曾祖父や祖父などから代々受け継がれた土地にアパートやマンションを建て、家賃収入を見込んでいる方々です。
このような方々は、民泊に対して非常に消極的です。近隣トラブルの問題やネット集客のため費用が掛かるとお考えのようです。Airbnb(アメリカ)のような仲介業者は日本にも存在します。株式会社百戦錬磨が運営するTOMARERUは、合法的なやり方であり、近時、注目を集めています。旅行会社、不動産会社、ホテルなど宿泊提供会社による、全てのノウハウを終結した企業若しくは協会の存在が本事業を成功させるうえで、大きな助けになると思います。
申請行政庁(保健所)の外郭団体として独立行政法人民泊協会なるものを創設し、登録させることにより、一括管理が可能で『ヤミ民泊業者』も把握できます。利用者側も会員証等により確認が取れれば安心です。
さらに、この協会で定期的に”おもてなし”や”衛生管理”などの講習を受けることにより接客レベルの向上にもつながり、質の高い日本のおもてなしが提供される(ことを期待します)でしょう。

次に、トラブルについての対処方法ですが、TOMARERUのような仲介業者がノウハウを蓄積しオーナーに提供してくだされば、随分解決されるのではないでしょうか。

私がホテルに在勤していた時は、前日に宿泊客の部屋割りを行ってました(当時はネットが普及してませんでした)が、当日になって販売不可になる部屋もありました。
仲介業者が一括管理をしてくださることによりトラブルも未然に防げ、対処方法も身につくと思います。

公衆衛生の観点から、前のお客様がチェックアウトをして、新たなお客様が入るときの清掃は、業者に任せた方が良いと思います。
同じお客様が滞在される7日間は自由ですが、入れ替わりの時は抗菌、殺菌、除菌などの消毒作業が必要であり、専門業者若しくはベットメイクの経験者か講習を受けた人がやるべきと考えます。

焦点はオリンピック・パラリンピックに向けてどれだけの宿泊施設を確保できるかでしょう。
過去のオリンピック開催都市では、常に宿泊施設の価格高騰が問題視されています。

4年後には、民泊大成功!となっていることを願って、
今後も成功までの「道のり」を探求したいと思います。